LR

開発日誌

―リトル・リコレクターのメンバーが、それぞれの目線で開発の様子をお届けします―

ストライプ

こんにちは。プログラマーの堀内です。

さて、今回は『リトル・リコレクター』のアニーの髪に加えた動きと、その調整についてお話しできればと思います。
走ったりジャンプしたりするときに、おさげが体の動きに少し遅れてついてくるようになりました。

ゲーム開発では、こうした髪や服などを「揺れ物」と呼ぶことがあります。
今回はその動きを、物理演算を使って作っています。

実際の髪の動き

まずは、走っているときのおさげの動きをご覧ください。

走行中、おさげが後ろへなびくアニー

走行中、後ろになびくおさげ

そこから反対方向へ切り返すと、髪も動きに合わせてしなります。
体が止まった後も少し揺れが残り、遅れて収まるのが特徴です。

走行・切り返し・停止でアニーの髪の形が変わる様子

走行から切り返し、停止までのおさげの動き

髪が揺れることで、走る勢いや髪の柔らかさが伝わるようになります。
小さな変更ですが、キャラクターの印象に関わる部分ですね。


どのように揺らしているのか

物理演算というのは、物体に力が加わったときの動きを計算する仕組みです。
今回は、髪を複数の物体がつながったものとして扱い、根元から毛先までの動きを計算しています。

根元が動くと、その先の部分も少し遅れて引っ張られるため、おさげ全体がしなるような動きを作れます。

ただ、物理演算に任せるだけで、欲しい動きになるわけではありません。

例えば、走り始めの勢いだけでは、一定の速さで走っている間ずっと髪を後ろになびかせることはできません。
そこで、プレイヤーの移動速度に応じて髪が目指す角度を変え、走っているときや落下しているときの形を調整しています。


揺れすぎないように調整する

髪を揺らす仕組みができても、揺れの大きさや収まる速さの調整は必要です。

アニーは急に方向を変えたり、ジャンプから着地したりと、動きの変化が大きいキャラクターです。
こうした動きの変化をそのまま髪に伝えると、必要以上に振り回されてしまいます。

そのため調整しているのが、移動によって生まれる揺れの強さと、揺れが収まる速さです。
また、髪が大きく傾いたときには、徐々に勢いを弱めるようにしています。角度の限界で急に止めるよりも、動きが硬く見えにくくなるためです。

走っているときにはしっかりなびいてほしい一方で、止まった後もいつまでも揺れていては落ち着きません。
どれくらい揺らすかだけでなく、揺れが収まるまでの時間も調整のポイントです。


さいごに

髪の揺れは、キャラクターの動きを豊かにするための工夫の一つです。
ゲームを遊ぶ際には、アニーのおさげの動きにも注目していただけると嬉しいです。

それでは、また次回の日誌でお会いしましょう!

こんにちは。デザイナーの清水です。

この度、アマギセーラさんとゆうきねこさんに楽曲提供していただきました!

今回お二人とは素敵なご縁があり、ご依頼させていただきました。ありがたい……

曲を一部ご紹介!

提供いただいた楽曲を一部ご紹介します!

タイトル画面のBGM

ダンジョン内のBGM

……最高!
リトル・リコレクターの雰囲気にすごく合う楽曲を制作していただきました。
この絵だったら絶対こういうアイリッシュな感じとか合うだろうなぁ……と思っていたので、それが現実になって清水は大変嬉しいです。

BGMだけでなく、SEや……主題歌まで! 制作いただいてます!
主題歌は製品版のエンディングで聴くことができるので、是非聴いていただけると嬉しいです。
さらに、先日公開した『リトル・リコレクター』応援プロジェクトのリワードにもサウンドトラックがございます!

これまでのBGMは清水と寺沼で制作していたんですが(詳しくはこちらの記事で)、その中で我々が気に入っていたフレーズなどを活かしながらアレンジしていただいたり、書き下ろしの楽曲もワクワクするものばかりで、すごくよくなったねぇと二人で話しておりました(しみじみ)。


お二人からメッセージをお預りしています!

楽曲コメント


アマギセーラさん プロフィール画像

『リトル・リコレクター』ED主題歌の作曲・作詞・歌唱を担当させていただきましたアマギセーラです。

アニーとトリスタンがピョコピョコと飛び回る可愛らしさ、
不思議で神秘的なダンジョンの雰囲気や
冒険のワクワク感などを主題歌でも表現できるように頑張りました!

小さなお友達も一緒に歌えるようなメロディにするよう心がけたり、歌詞は開発チームの方々と一緒に皆でワイワイ作って思い出深い作品です。

この曲を聴きながら、一緒に『リトル・リコレクター』の冒険に出かけましょう!


ゆうきねこさん プロフィール画像

主題歌のアレンジ、ゲーム内BGMの制作を担当いたしました、ゆうきねこです。

BGMに関しては、一部新規書下ろしのオリジナル曲もありつつ、
大半の楽曲では、体験版で開発チームの皆さんが作られたメロディをもとに、世界観にあわせてアレンジさせて頂きました。

BGM制作を一曲一曲と進めるごとに、より世界観がつかめるようになってきて、
原曲を作られた皆さんの想いを感じ取ることが出来た気がします。

幅広い年齢層に楽しんで頂けるポップなファンタジー音楽に仕上げましたので、
ゲームをプレーしながらお楽しみ頂けましたら幸いです。


アマギセーラ / Sera Amagi

民族調&ファンタジーを愛するシンガーソングライター。
5オクターブの声域と豊かな表現力を持ち、幻想的でドラマティックな音楽を紡き出す。

国内外への楽曲提供をはじめ、声優として国立博物館のナレーションを担当するなど、歌と声の両面から表現を追求。

大阪・関西万博の大アリーナステージや東京ゲームショウへのライブ出演など、さまざまな舞台でその歌声を届けている。

【装備品】声を拾う魔法の杖

【myオタカラ】いやしのぬいぐるみ

ゆうきねこ / Yuukineko

猫としての力を遥かに凌駕し、人語を話しDTMをこなすようになった妖精ケット・シー。

アマギセーラの棲む森に迷い込んだところ食料として捕獲され調理されかけたが、その後いい曲が書けることが判明し、以来作編曲を共に続けている。

【装備品】世界樹の六弦竪琴

【myオタカラ】時守の腕輪

こんにちは、ディレクターの笹口です。
しばらく開発日誌を更新できていませんでしたが、本日はお知らせの記事になります!

『リトル・リコレクター』は、クラウドファンディングサービス「ソレオス」にて応援プロジェクトをスタートします!

『リトル・リコレクター』応援プロジェクト

現在『リトル・リコレクター』は、2026年内のリリースに向けて、いよいよ大詰めとしてのブラッシュアップを進めています。

今回のクラウドファンディングは、リリース前の最後の大きなプロモーションとして

  • 本作をもっと多くの方に知っていただく!
  • 応援してくださる皆さまと一緒にリリースに向けて盛り上げていきたい!

という思いから立ち上げました。

プロジェクトページも公開されておりますので、是非ご覧くださいませ!
『リトル・リコレクター』応援プロジェクト

プロジェクトの実施期間は、9月19日(土)の18:00 から11月6日(金)の23:59までとなります!
開始まであと1日ございますが、ぜひプロジェクトページをチェックしてみてください!

クラウドファンディングトップ画像

いろいろなリワードをご用意しています!

リワードには、ゲーム本体のSteamキーをはじめ、ゲームの世界観をイメージしたリコレクター免許証、Tシャツ、サウンドトラックCD、設定資料集など、さまざまなものをご用意しています。 昨年のTGSに出展した際にご要望の声をいただいていたトリスタンのぬいぐるみも今回ご用意いたします!

ほかにも、ゲーム内のクレジットにお名前を掲載するものなど、それぞれ特色のあるコースを用意していますので、ぜひプロジェクトページを覗いてみてください!

リワード表 大きいサイズのリワード表はこちら

ここから、もっと多くの方へ!

気づけば『リトル・リコレクター』が昨年の東京ゲームショウ2025に出展してから、もう一年が経とうとしています。
ちょうど昨日から東京ゲームショウ2026もスタートしています。 振り返ってみると、本当にあっという間の一年でした。

昨年の出展では、たくさんの方に実際にゲームを遊んでいただき、さまざまな感想やご意見をいただきました。
その後も紆余曲折ありながらではありますが、あのとき皆さまからいただいた言葉をもとに、遊びやすさやゲームの内容をひとつずつ見直し、改善やブラッシュアップを重ねながら、今日まで開発を進めてきました。
そして、2026年内のリリースに向けて、開発もいよいよ大詰めを迎えています。

ここまで作り上げてきた『リトル・リコレクター』を、昨年遊んでくださった方にはもちろん、まだ本作を知らない方にも、もっとたくさん届けていきたいと思っています。
今回のクラウドファンディングも、そのための大きな一歩です。

より多くの方に『リトル・リコレクター』を知っていただくために、ぜひ皆さまのお力をお貸しいただけると嬉しいです。

プロジェクトは、明日9月19日(土)18:00よりスタートします。

ここからリリースに向けて、さらに盛り上げていければと思っています。
ぜひ、ご支援・応援のほどよろしくお願いいたします!

こんにちは。デザイナーの神田です。

今回は、『リトル・リコレクター』の画面づくりを大きく見直したときのお話です。開発を進める中で出てきたのが、

「画面としては成立しているけれど、アートDである清水さんの絵が持っていた独特の雰囲気が少し薄くなっているのでは?」

という問題でした。そこで、デザイナーの清水さんと一緒に現在の画面になるまでの経緯を振り返ってみました。


――そもそも、今回画面をブラッシュアップしようとなったのは、どういうところからだったんでしょう。

清水:
開発が進むにつれて、自分以外の人の手もかなり入るようになっていたんですよね。背景も全部を僕一人で描いているわけではなくて、作業を分担しています。僕が線画を担当して、色塗りを別の人にお願いするといった作り方もしていました。時間的には、その方が並行して進められるので圧倒的に効率がいいんです。

背景については色の方向性までこちらである程度指定していたので、まだ僕の絵柄から大きく離れてはいなかったと思います。一方で、アイテムやインタラクトできるオブジェクトなどは、デザインの段階からほかの人にお願いするものも増えていました。そうすると、少しずつ「一般的なゲームの絵」に近づいていくんですよね。

――プレイ画面とは別に、UIもかなり作り込まれてきましたよね。

清水:
それもあると思います。UIの密度が上がって、かなりしっかりした画面になったことで、逆にアクション中の画面が少しあっさり見えるようになったところもありました。もちろん、単純に置かれているものの量の問題もあります。ただ、それだけではなくて、全体として少し「空気が軽くなった」という感覚がありました。


――そのあたりで僕のところに「ちょっと画面を味付けしてほしい」という話が来たんですよね。

僕としては、それまでの経緯を細かく知らない状態だったので、まずはスクリーンショットをPhotoshopに持っていって、普通に「画面映えする方向」に調整しました。暗いところを締めたり、発光を強くしたり、コントラストを上げたり。最近のインディーゲームでよく見る、パッと見たときに気持ちいい、かなり強い画面ですね。

それで、一度みんなに見てもらったんですが……。

「普通に良い画面」として作成したもの

清水:
「良いけど、これじゃないよね」と(笑)。

――そうなりましたね(笑)。でも、最初からあれを正解にするつもりではなかったんですよね?

清水:
そうですね。いきなり正解を当てにいくよりも、まず一回「普通に良い画面」を作りたかったんです。何もない状態から「もっとこのゲームらしく」と言っても、比較するものがないので考えにくい。

一度ちゃんと良いところまで持っていけば、「ここは良い。でも、この部分は違う」と言えるようになります。

――一度基準を作って、そこからずらしていく。

清水:
そうです。実際、神田さんが作ったものは画面としては良かったんです。ただ、せっかく『リトル・リコレクター』には独特の絵があるのに、それを一般的な見た目にしてしまうのはもったいないなと。そこから、「この作品ならではの色って何だろう?」というところを考え始めました。


――僕は当時、ざっくり「フランスの画家っぽい方向」と呼んでいたんですが(笑)、実際には何を目指していたんでしょう。

清水:
何か特定の作品をそのまま再現したかったわけではないです。一度、自分の絵柄のルーツに戻ってみようと思ったんです。参考にしたのは、バンド・デシネの作品ですね。特にメビウスやフランソワ・スクイテンの作品は、自分の絵を考える上で影響が大きいです。

――独特な色を使いますよね。

清水:
そうですね。現実の自然な色から少し外れているというか。

ただ、僕自身はものすごくたくさんの色を使うタイプではなくて、かなり絞ります。よく使うのが、オレンジから赤の暖色系と、青系ですね。緑や純粋な黄色は、自分ではあまりうまく使えないというのもありますし、暖色と寒色を組み合わせると画面を作りやすい。結局、普段自分が絵を描くときに自然と選んでいる色なんです。

――そこから、ポストプロセスでも画面全体をその色に寄せていった。

清水:
そうですね。完全にほかの色を消すわけではないですが、暗いところと明るいところに色味を持たせて、全体をその方向にまとめています。

調整後ゲーム画面

――あの調整を見たとき、僕は「これだ」と思ったんです。ただ、メビウスやスクイテンにもいろいろな絵があるので、数値的な正解があるわけではないですよね。どうやって正解を決めたんでしょう。

清水:
その二人は、あくまで取っかかりですね。作品を見て、「そういえば自分はこういう色が好きだったな」と思い出すためのものです。その人たちの作品を再現しようとしているわけではありません。

もし最初から最後まで自分一人で絵を描いていたら、自然とこういう色を使っていただろう。今は分業した結果、そうなっていない。だから最後に、そこへ戻しているだけなんです。

――なるほど。新しく味を付けたというより、「本来の味に戻した」という方が近いんですね。

清水:
そうですね。


今回の画面調整は、最初から計画していた制作フローではありませんでした。ただ、振り返ってみると面白い方法だったと思います。

複数人で制作すれば、当然それぞれの作業には少しずつ個性が出ます。すべての工程を一人が細かく監修することは現実的ではありません。そこで最後の仕上げ工程で色や空気感をまとめ、作品全体を一つの方向へ寄せる。『リトル・リコレクター』では、そんな方法で「らしさ」を取り戻すことになりました。

画面そのものを作り替えるのではなく、最後に全体へ一枚フィルターを重ねるように、作品の空気を整えていく。結果的に、今の『リトル・リコレクター』の画面を作る大切な工程になっています。

それでは、また次回の開発日誌でお会いしましょう!

こんにちは。デザイナーの清水です。

今回はディレクターの一人である笹口さんにインタビューを行い、どんな人なの? というのを掘り下げてみようと思います。 笹口さんが普段どんなことを考えて『リトル・リコレクター』でのディレクションやプランニングをしているのか気になりますね。


本人の写真

ディレクターの笹口さん

今回インタビューを受ける人。『リトル・リコレクター』では世界観設定から具体的なステージ制作まで、ゲーム全体のあらゆるところを作り上げている。

打てば響くようなレスポンスで様々な意思決定を行う、プロジェクトの牽引役だ!


――これまでのインタビューではルーツから聞いていたので、今回もそれでいこうかと思います。ゲーム業界を意識し始めたのは、いつ頃でしたか。

就職活動のタイミングですね。
ただ、その時点でゲーム開発者になろうと明確に決めていたわけではなかったですね。

ただ、それ以前からゲームは好きでしたし、大学2年生のときにはゲーム会社のサマーインターンに参加していました。

――そのインターンで手応えがあったということなんでしょうか。

手応えはあったと思います。
ただ、その場もそこまでゲーム開発とは何かみたいなところに踏み込むようなことはあまりなくて、プレゼンテーションとかグループワークが中心でしたね。

――笹口さんには日頃から牽引力を感じていますけど、そのときもそういった役回りだったんですか。

まあ、自分の言いたいことを言わないと気がすまない性分ですから(笑)。
とはいえ、みんなの合意を取ることは意識していました。
そういった経験がゲーム業界を選択肢として意識する最初の一歩になったのは確かかなと思います。

――当時は、どのように業界や会社を見ていたのでしょう。

当時としては開発会社とかパブリッシャーみたいな区別もあまりついていなかったですね。それぞれがどんな仕事をしているのかといったことについても。

就職サイトから幅広くエントリーして、各社の説明会や面接を受けるうちに、初めて知ることが多かったです。
自社スタジオを持つ会社だけではなく、日本中に多くの開発会社があることとか。受託開発の会社もあれば、アプリをつくる会社もあることとか。
説明を聞いているうちに、「ここはこういう開発の会社だったんだ」と、一社ずつ理解していきましたね。

結構なにも知らない状態で突撃していった感じで、ある意味ライブ感でやっていましたね。

――クリエイティビティがぶつかり合って何かを生みだすことを日頃から大事にされている印象ですが、それは当時からそうでしたか。

いいえ。学生時代にゲーム開発をした経験は一度もありませんから。
ものづくりに触れていたといっても、趣味で動画をつくるくらいで、すべて一人で完結していました。
誰かと一緒に何かをつくる経験はなく、趣味の範囲を超えるものでもなかったと思います。

意識が変わったのは業界に入ってからですね。
学生時代には一人で完結する創作しか経験していなかったので、複数の人が専門性を持ち寄って進む現場は、見るものすべてが新鮮でした。
実際の現場に入ったところから、チームでものをつくる意識が形になっていったと思います。

入社当初は、そうした人たちより自分のスタートラインが一歩後ろにあるという意識を強く持っていました。
ゲーム開発を経験していない自分が、ゲームをつくる中で何ができるのか。そう考えたとき、まずは目の前の仕事に食らいつくしかありませんでした。
デザイナーやエンジニアとは違って専門性で戦っていくというよりは、自分なりのクリエイティビティをぶつけていくしかないなと。
クリエイティビティと一口に言っても色々ありますけどね。

――未経験で入った現場では、何が新鮮に映りましたか。

ゲームには、さまざまな専門性が関わっています。
デザイナーなら、デザインやイラストだけでなく、空気感や肌触りというところにも表現がある。
プログラマーなら、処理のスピード、アクションの手触り、リアクションの反応にも表現がある。
専門性ごとに表現できるところは違いますが、それらを一つにまとめることでゲームになる。

さらにゲームはユーザーなくして成り立ちません。ユーザーが関わって初めて成り立つ、インタラクティブなところにも面白さがあると思います。

異なる専門性を持つ人たちが考えや技術をぶつけ合い、織り交ぜながら一つの作品になっていくというのがゲームづくりの面白いところですね。

――現在の少人数チームでの開発では、その面白さをどのように感じていますか。

少人数の開発では、大規模な開発に比べて各人が担う領域の割合が大きく、一人ひとりの思いが作品に色濃く反映されるというのを感じています。
各セクションがベン図のようにそれぞれの領域が重なり、その境界にはグラデーションがあるわけですが、その中で誰かの意見が強くなりすぎないことは意識しています。そのための3人ディレクター体制でもあると思いますし。
その上で実働としてのメンバーたちもいて、彼らのこだわりも色濃く反映されていますし、バランスを取れているんじゃないかなと思います。

複数人で意思決定する以上、時間はかかりますが、自分たちがつくりたいものをつくっている感覚が強い。
これまでの仕事の中でも、いちばん「ものづくりをしている」と感じられる現場です。

――企画職は、どのような役割だと考えていますか。

企画というのは、基本的にはプログラマーやデザイナーといった専門職が担わない部分を引き受ける役割だと考えています。
プロジェクトによってはレベルデザインを専門に担うプランナーとか、そういった細かい区分けがあることもありますが『リトル・リコレクター』においては企画という括りしかないですから、自然とそうなっていきますね。

ただ、それも一つの答えの形というだけで、たとえば今の開発においては、ステージも作っていますし、プレイヤーのパラメータの調整もしていますし、わりと実際に手を動かす側になっています。
一方で、別のプロジェクトであれば、デザインなどの成果物を見て仕様面で整理し、各担当がつくったものを持ち寄るときの「集める係」が求められることもあります。
同じ企画職でも、どこに比重を置くかはプロジェクトによって変わりますから、固定された職能というより、その場に必要な仕事をどう担うかという話に近いと思います。

――「その場に必要な仕事」とは、具体的にどのような仕事でしょう。

誰でもできそうに見えても、人があまりやりたがらないこと。あるいは、できるけれど手間がかかることです。
専門的な技術そのものではなくても、細かな作業を一手に担うことがあります。どのような仕事をうまく担えるか、どの側面が得意かは、企画を担当する人によっても異なります。

そうした仕事は、ゲーム画面に直接表れず、すぐにゲームの良し悪しへ影響するようには見えないかもしれません。
それでも、欠けていればゲームを完成させられない仕事です。専門職が担う範囲の外側にある、手間のかかる細かな作業まで引き受ける。企画には、そのような仕事も含まれていると考えています。


今回は笹口さんのゲーム開発に対する思いを聞きました。
笹口さんとは『リトル・リコレクター』の制作で初めて一緒に仕事をさせてもらったのですが、最近はかなり阿吽の呼吸になってきています。
ここからリリースまで共に駆け抜けたい……!

それではまたお会いしましょう。

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