LR

開発日誌

―リトル・リコレクターのメンバーが、それぞれの目線で開発の様子をお届けします―

ストライプ

こんにちは!2Dデザイナーの森です。

今回は、体験版の配信に伴いデザインを大幅に変えようという話になりましたので、そちらを深掘りできればと思います。


そもそもなぜUIを変える必要があったの?

理由としては、「世界観を補強する役割を強めたい」という目的が大きいです。

以前のデザインは直線を用いてユーザーの視認性を担保し、モチーフを使って世界観を伝えるという意図があり、整理されたデザインでした。そこにもう少し世界観のテイストを加え、世界を説明する要素を増やして没入感を付与することが今回の目的でした。

以前のデザインがあったため、ある程度レイアウトが固まった状態からテイストのみを変える調整だったため、とても作りやすいように思いました。

最終的に以下3点を軸として進めるスタイルでまとまりました。

  • スタイリッシュというよりガサガサした無骨なタッチ
  • なぜそこにあるのかが説明できる具体的なモチーフ
  • 実線を用いて影は斜線で表現

ここで具体的な例としてリザルト画面を見ていきましょう。

改修前 改修前のリザルト画面

モチーフ決定

リザルト画面は、遺跡に挑んで帰還したとき「帰還成功or失敗漫画」→「リザルト画面」という流れで再生されます。そのため漫画から紙モチーフつながりでリザルトに移行するのがシームレスだと感じたので、 ぐちゃぐちゃの机にアニーが作った報告書が散らばっているイメージを想像してデザインを作成しました。アニメーションイメージは紙が上下左右からファサっと重なっていく感じです。

1稿

テイスト模索

この時点ではまだ序盤でテイストが固まっておらず、清水さんに輪郭線や影に斜線を入れることでなじませる方向を提案していただき、ここで方向性が定まりました。ラフというのもありますが、この時点ではまだきれいすぎる印象がありますね。 ここで、仕様変更によりリザルト画面で売却機能をつける予定だったのが、別画面にお引越しとなったため要素を見直すことになりました。

ラフ2稿

情報整理

ここでだいぶテイストや内容が固まってきたため、情報を見やすくする工夫をいろいろ試してみました。

目が留まる上部に重要な情報をもってきつつ、優先度の高いものは文字と背景色のコントラストを上げ、低いものはコントラストを下げて目立たせ具合を調整しました。すべての情報の幅をきれいにそろえるときっちりかっちりした印象が強いため、ルールを各ユニットごとでそろえるようにしました。

こちらで完成です。

完成

最後に

具体的に描いたがために、単に紙モチーフというだけだと「これはどういう紙なの?」と違和感を持ってしまう弊害が生まれてしまいます。なので、リトルリコレクターでは「○○をするための紙」といった感じで説明できるモチーフを心掛けたいですね。

また、テイスト合わせもとても勉強になりましたが、クオリティラインの意識も持っておこうと思います。

どうしても一つを集中してクオリティを高くしがちですが、ゲーム全体見たときクオリティに差があるとそっちに目が行ってしまいます。なのでクオリティにラインを設けて、それぞれに差を出しすぎないことが大切ですね。

それではまたお会いしましょう!

こんにちは。寺沼です。

今回は、体験版に向けて作ってみたはいいけど、ボツになってしまったBGMをいくつか紹介していこうと思います。

拠点パート

神秘的になりすぎました。
もっと安心感があるバージョンが採用されました。

帰還パート

当初はミニゲーム感を出すためにチップチューンを検討していました。
現行のバージョンと比較した結果、世界観と離れすぎていることもあり、ボツになりました。

リザルト:成功

これはかなり作りかけですね…
楽しげにしたくて手当たり次第にパーカッションを足してみましたが、ダサさを払拭出来ませんでした。
最終的に爽やかな印象のBGMが採用されました。

リザルト:失敗

失敗時の悲しい感じを出すのが難しく、"寒そうなさすらいの旅"みたいな印象になってしまいました。
採用バージョンでは、"悲しさ"ではなく、"無念"を意識する方針に切り替えました。


一旦こんなものでしょうか。
以上、BGM制作の紆余曲折の残骸を供養させて頂きました。

それでは、また。

はじめまして。 2Dデザイナーとして参加しているチュウライです。

昨年の5月に参加して、気がつけばもうすぐ1年。 本当にあっという間で、「時間ワープした?」と思うくらいの速さでした(笑)。

ということで今回は、昨年の5月に遡って、最初の頃のお話をゆるっと振り返ってみようと思います~!


デザイン作業のお話

最初の担当は「階層間エレベーター」でした

この1年の作業を振り返ると、ほとんどがデザイン関連。 その中でも最初に担当したのが、エレベーターとコンソールのデザインでした。

まずはエレベーター。 各フロアの一番上でちゃんと待っててくれて、次の階へ連れていってくれる、ちょっと檻みたいなあの装置です。

ゲーム内画面

……なんですが、初稿はまったく違う形でした(笑)! 当時はまだ『リトル・リコレクター』の世界観をうまく掴めておらず、「遺跡っぽさ」と聞くと、どうしても頭の中が『ゼルダの伝説』シリーズのような雰囲気でいっぱいに。
その結果、最初のデザインは“ポータルっぽい”見た目となりました。

エレベーター初稿

その後、清水さんと笹口さんから 「The遺跡感は弱めて、生活設備として生成された装置のような雰囲気を強めたい」 というフィードバックと参考画像をいただき、方向性が大きく変わります。

初稿では、遺跡感が強く出ている要因として、石材のような質感や、一部の紋様・形状にあると考えていました。

そこで改めてプロジェクトの資料や既に実装されているゲーム内のビジュアルを見直し、いくつかの共通要素を抽出しました。 具体的には、背景で多く用いられている「褐色」、エネルギー源である「ハルム」、そして世界観に登場するロボット「ドローン」の3点です。 既存の世界観要素同士に連動性を持たせ、新たな形として再構成することで、より本作全体のトーンに馴染むのではないかと考えました。

そのため、全体のベースカラーには「褐色」を採用し、銅のような質感や、廃棄物・経年変化を感じさせる表現を意識しています。 また、「ハルム」の青をアクセントとして取り入れ、エレベーターの稼働エネルギーを視覚的に示す役割を持たせました。 さらに「ドローン」の要素をモチーフとしてデザインに組み込むことで、単なる装置にとどまらず、わずかな“生物的な気配”や物語性を付加することを狙っています。

プレイヤーが目にした際に、「これはどういう背景を持っているのか」と興味を持ってもらえるような存在になればと考えました。

そこから 「天井型」(扉感を強調した方向)と「籠型」(ドローン+台座コンセプト) の2案を制作し、最終的に「籠型」案Bが採用。

エレベーター二稿

この装置の成り立ちについては、個人的に次のようなイメージを持っています。
「ドローンはもともと製作者から与えられた指示(物を運ぶなど)を持っている存在。 ただ、人間からの指示を失ってしまったことで、偶然瓦礫のようなものを運び始め、そのまま移動の動作だけを繰り返すようになった——」
というイメージです。

先輩のアドバイスをもとにブラッシュアップして、今のゲーム内の形になりました。


続いて「コンソール」デザイン

次に担当したのがコンソール。

エレベーターでの経験を踏まえて、今回は最初から

「遺跡っぽいけど遺跡すぎない」 「廃棄された生活物が自然に組み合わさったようなもの」

この2つを意識して進めました。その結果、4つの案を制作(左図参照):

①魂の遺物寄り装置案 ②丸み遺跡風案 ③機材組み合わせ案 ④DNA喚起装置案

この4案の中から、先輩方の世界観的な観点や実装面の可能性を踏まえて3つの方向に絞り、調整を加えたうえで新たに5案を制作しました(右図参照)。

コンソール初稿と二稿

制作中は、「実際にどう操作するのか」「どんなインタラクションになるのか」も頭の中でイメージしながら、それをデザインに落とし込んでいます。

そして最終的に採用されたのは—— 「丸み遺跡風案」(右図A参照)。 “生物感”という要素が評価され、満場一致で、決められました。

この案のインスピレーションとしては、『アントニ・ガウディ』が手がけた建築に見られる独特な曲線的フォルムと、ゲーム内で既に実装されている森さんデザインの「帰還ポイント」から受けた“生物感”の印象にあります。

プロジェクト初期に森さんから、参考として『アントニ・ガウディ』の建築を見ることを勧めていただきました。 『アントニ・ガウディ』は植物や動物、波や炎といった自然物の成長過程から生まれる有機的な曲線を建築に取り入れており、その造形はどこか生命感を帯びています。 この“有機的な曲線”という要素は、本作の世界観とも通じる部分があるのではないかと感じました。

そこで本案では、 「立ち操作コンソール」+「生物感」+「曲線的フォルム」 という3点を軸に構想を進めています。

制作過程において特に難しかったのは、現代的な装置としての機能性を保ちながら、本作全体のビジュアルトーンへ自然に落とし込む点でした。 加えて、プレイヤーが一目見た際に「これは操作台かもしれない」と直感的に認識できる必要もあります。

そのため、自分の中で操作台を特徴づける要素として、 「ディスプレイ」「タッチパネル」「立ち操作のシルエット」 の3点を基準として設定し、それらの大枠を崩さないようにしながらデザインを行いました。 その上で、「生物感」「曲線的フォルム」という要素を段階的に加えていくことで、世界観との接続を図っています。

様々な要素を意識しながら描いていくうちに、気づけばこの“謎のフォルム”に(笑)。 自分でも一番気に入った案なので、採用されたときは本当に嬉しかったです!


この経験で掴めたこと

この2つの作業を通して、少しずつ見えてきたキーワードが以下になります:

「廃棄物の自然な組み合わせ」 「曲線的フォルム」 「生物感」

これらが、『リトル・リコレクター』の美術世界観を理解する大きなヒントになり、 その後のデザインにも活きています。


あっ、ちょっと文章が長すぎるかもしれませんね……!
キーボードを打つ手も疲れてきたので、今回はこのあたりで。
やっぱり1年分の話は、一括ではとても払いきれないので、分割払いスタイルでいこうと思います。 また機会があれば、続きをゆるっと書かせていただければと思います~!

こんにちは、寺沼です。

今回は、体験版で流れているBGMについてお話しします。

『リトル・リコレクター』の楽曲を制作するにあたって、清水くんと相談して決めていたことが一つありました。 それは、「ゲーム全体のBGMを、たった一つのメインメロディから構成する」ということです。

これには、次のような狙いがあります。

  • ゲーム全体の雰囲気に統一感を持たせる
  • メロディの制作コストを抑え、アレンジに注力する

最初に作ったのは、体験版のタイトル画面で流れている、こちらの曲です。

この楽曲を、本作の「メインテーマ」と位置づけました。

それでは、他のBGMも聴き比べてみましょう。 まず、清水くんがアレンジしてくれた「探索BGM」は、以前の記事でもご紹介しましたね。

ほかにも、帰還中のBGMや、

帰還成功時のBGMなどは、メインのメロディが分かりやすく引用されています。

一方で、拠点のBGMはオリジナルフレーズが多く、一見すると別物のようです。 しかし、実はメインフレーズが使われていたり……

他の部分のフレーズが隠れていたりと、

メインテーマのフレーズはしっかり使われているのでした。

以上、BGMについてのお話でした。 それでは。

こんにちは、ディレクターの笹口です。
前回の記事でもお伝えしましたように、『リトル・リコレクター』の体験版をリリースし、SteamNextフェスへの出展を行いました。

プレイいただいた皆さま、ありがとうございました!
SNS上では #リトル・リコレクター を付けて、感想を投稿いただいた方もいらっしゃって、とても嬉しかったです!
開発メンバー一同で拝見させていただきました!

まだプレイされていない方も、引き続きSteamから体験版をプレイできますので、ぜひ遊んでみてください!

そもそもSteam Nextフェスとは?

Steam Nextフェスは、Steamが主催するゲームの体験版をプレイできるイベントです。
2月、6月、10月と年に3回開催され、プレイ可能な体験版が多数公開されます。
全世界で同時に開催されるイベントなので、国外へのアピールも行える絶好の機会だったりします。

Steam Nextフェスに着目して配信を行う方や動画での紹介、Web記事を投稿する方もいるため、出展する意義はかなり大きいと思い、今回出展を決めるに至りました。

SteamNextフェスに向けた準備

Steam Nextフェスへの参加には、いくつか制限があります。

  • 近日登場予定の未リリースゲームであること
  • 過去にNextフェスに参加していない(タイトル1つにつき、Nextフェスの参加1回まで)
  • ストアページが公開されていること
  • Nextフェス開始までにプレイ可能な体験版が一般公開されていること
  • Nextフェスの終了前までにリリースされないこと

等の条件があり、これを満たしている場合、Steam側から案内が届き、参加申請ができるようになります。

油断大敵! レビュー審査の通過が必要...

まず、我々が目指したのは、Steam Nextフェスで公開する体験版の実装を急務で進めることでした。
『リトル・リコレクター』は、TGS2025に試遊展示を行っていたので、基本のゲーム部分を遊ぶことができるビルドは用意できていましたが、以前のビルドをそのままお出しするようでは、せっかく本タイトルに期待いただいているプレイヤーの方々にTGSを終えてから加えた調整やバランス改善などを味わってもらえないと考え、新規でSteam Nextフェスに向けた調整版ROMを用意することになりました。

Nextフェス1か月くらい前までは、順調かななんて思っていましたが、ドキュメントを読み返してみると、

「Nextフェスの前に体験版を公開する場合は、フェス開催の2週間前までに体験版をレビューに提出してください」

の文字が...。

でもって、困ったことに別の箇所には、

「ローンチ日から数えて3~5営業日前までにレビューに提出してください」

という記載も。

どこで読み違えたか、直前まで調整を続ける想定で動いていたスケジュールが瓦解、1週間以上巻く必要が出てきてしまい、開発メンバー総出でフルスピード開発でした。

対応言語は日本語のみ

国外のプレイヤーの方々も楽しめるように、少なくとも英語の言語対応はしておきたかったところですが、期間の都合でこちらは断念...
ただ、極力文字で説明する箇所は少なめにする、という開発方針を初期から取っていたので、なんとかなるかな...?というやや希望的観測含みでリリースすることに。

SteamNextフェス開始!

どうにかこうにかして、リリース前審査も通過し、無事SteamNextフェスに出展ができました。

SteamNextフェスに掲載

3500以上のタイトルが掲載されている中、無事にアニーとトリスタンのキービジュアルが目に入った瞬間は嬉しかったですね。
(最初はなかなか見つからず焦りましたが...w)

安堵も束の間、問題発生!

まさかまさかのバグ報告...
開発メンバーの友人でゲーム制作経験のある人が、プレイしている中でバグを発見。しまいには、デバッグまでしてくれた模様。

幸い、原因究明に時間はかからなかったので、急ぎアップデートを実施。
すぐに遊んでくれた方にも関わらず、ご迷惑をおかけしてしまいました...。

その後も、Nextフェス開始直前のビルドには間に合わなかった調整も加えたりもしながら、リリース前のデバッグでは出てこなかったバグもあったので、結局フェス期間中に何度かアップデートを重ねることに。最後までバタバタしてしまいました。

Steam Nextフェスを終えて

開幕早々、出鼻をくじかれたようなスタートを切ってしまいましたが、たくさんの方に遊んでいただきました。
Steam Nextフェスの終了後には、Steam側から今回のフェスの結果を簡単なレポートの形式でいただくことができるので、今回はそちらを公開します!

プレイ人数

総プレイ人数は、149人でした。
開発関係者を除くと、ざっと140人くらいでしょうか。

所感としては、かなり好感触です。
事前のプロモーションは、開発に忙殺されていたために全くと言っていいほど行えませんでしたが、それでもこれだけの方に遊んでいただけたのは嬉しいです。

TGS2025の4日間において、試遊体験をしてくださった方の人数が250人前後だったことを考えると、3500という多量のタイトルの中から見つけて遊んでくださった方がこれだけいたというのは、かなり嬉しい結果でした。

ウィッシュリストの増加数

フェス期間中のウィッシュリストの増加数は、332件でした。
1000を超えるウィッシュリストの増加が見込めるとどこかで見た記憶がありますが、そう簡単にはいかないものですね...。

とはいえ、リリース前の段階でのウィッシュリスト登録数から倍以上の数のウィッシュリスト登録をいただけたため、プロモーションとしては大成功といっても差し支えないかと思います!

ウィッシュリスト増加量graph

これは『リトル・リコレクター』の全期間でのウィッシュリスト登録増加数の推移となります。
キャンペーン施策もあったTGS2025の期間中(グラフ内左側の山)での増加数が258件、となりウィッシュリストの登録増加数としては、TGS2025を上回る結果となりました!

ウィッシュリスト登録の内訳を見てみると、意外にも海外からの登録も目立ち、プレイには至らなかったものの、ウィッシュリストには登録してくれた、という方も多かったことがうかがえます。
(こうなってくると、英語対応ができなかったことが少々悔やまれます...)

総じて

今回のSteam Nextフェスは、概ね成功といえる結果になったと思います!
欲を言えば、もっといろんな人に届けたかった、という気持ちもありますが、この悔しさは製品版のリリースに向けて、しっかりと対策を練ったうえで昇華させたいと思います!

引き続き、体験版はSteamからダウンロードできますので、プレイしながら製品版のリリースをお待ちいただけると嬉しいです!

それでは、今回はこちらで。
次回の更新をお楽しみに!

ご感想はX(旧:Twitter)まで!

引き続き、ご感想はX(Twitter)にてお待ちしてます!
#リトル・リコレクター を付けてご投稿くださいませ!ハイスコアの報告もぜひ~。

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