#49 「時間ワープして、デザイン作業の話」
はじめまして。 2Dデザイナーとして参加しているチュウライです。
昨年の5月に参加して、気がつけばもうすぐ1年。 本当にあっという間で、「時間ワープした?」と思うくらいの速さでした(笑)。
ということで今回は、昨年の5月に遡って、最初の頃のお話をゆるっと振り返ってみようと思います~!
デザイン作業のお話
最初の担当は「階層間エレベーター」でした
この1年の作業を振り返ると、ほとんどがデザイン関連。 その中でも最初に担当したのが、エレベーターとコンソールのデザインでした。
まずはエレベーター。 各フロアの一番上でちゃんと待っててくれて、次の階へ連れていってくれる、ちょっと檻みたいなあの装置です。

……なんですが、初稿はまったく違う形でした(笑)!
当時はまだ『リトル・リコレクター』の世界観をうまく掴めておらず、「遺跡っぽさ」と聞くと、どうしても頭の中が『ゼルダの伝説』シリーズのような雰囲気でいっぱいに。
その結果、最初のデザインは“ポータルっぽい”見た目となりました。

その後、清水さんと笹口さんから 「The遺跡感は弱めて、生活設備として生成された装置のような雰囲気を強めたい」 というフィードバックと参考画像をいただき、方向性が大きく変わります。
初稿では、遺跡感が強く出ている要因として、石材のような質感や、一部の紋様・形状にあると考えていました。
そこで改めてプロジェクトの資料や既に実装されているゲーム内のビジュアルを見直し、いくつかの共通要素を抽出しました。 具体的には、背景で多く用いられている「褐色」、エネルギー源である「ハルム」、そして世界観に登場するロボット「ドローン」の3点です。 既存の世界観要素同士に連動性を持たせ、新たな形として再構成することで、より本作全体のトーンに馴染むのではないかと考えました。
そのため、全体のベースカラーには「褐色」を採用し、銅のような質感や、廃棄物・経年変化を感じさせる表現を意識しています。 また、「ハルム」の青をアクセントとして取り入れ、エレベーターの稼働エネルギーを視覚的に示す役割を持たせました。 さらに「ドローン」の要素をモチーフとしてデザインに組み込むことで、単なる装置にとどまらず、わずかな“生物的な気配”や物語性を付加することを狙っています。
プレイヤーが目にした際に、「これはどういう背景を持っているのか」と興味を持ってもらえるような存在になればと考えました。
そこから 「天井型」(扉感を強調した方向)と「籠型」(ドローン+台座コンセプト) の2案を制作し、最終的に「籠型」案Bが採用。

この装置の成り立ちについては、個人的に次のようなイメージを持っています。
「ドローンはもともと製作者から与えられた指示(物を運ぶなど)を持っている存在。
ただ、人間からの指示を失ってしまったことで、偶然瓦礫のようなものを運び始め、そのまま移動の動作だけを繰り返すようになった——」
というイメージです。
先輩のアドバイスをもとにブラッシュアップして、今のゲーム内の形になりました。
続いて「コンソール」デザイン
次に担当したのがコンソール。
エレベーターでの経験を踏まえて、今回は最初から
「遺跡っぽいけど遺跡すぎない」 「廃棄された生活物が自然に組み合わさったようなもの」
この2つを意識して進めました。その結果、4つの案を制作(左図参照):
①魂の遺物寄り装置案 ②丸み遺跡風案 ③機材組み合わせ案 ④DNA喚起装置案
この4案の中から、先輩方の世界観的な観点や実装面の可能性を踏まえて3つの方向に絞り、調整を加えたうえで新たに5案を制作しました(右図参照)。

制作中は、「実際にどう操作するのか」「どんなインタラクションになるのか」も頭の中でイメージしながら、それをデザインに落とし込んでいます。
そして最終的に採用されたのは—— 「丸み遺跡風案」(右図A参照)。 “生物感”という要素が評価され、満場一致で、決められました。
この案のインスピレーションとしては、『アントニ・ガウディ』が手がけた建築に見られる独特な曲線的フォルムと、ゲーム内で既に実装されている森さんデザインの「帰還ポイント」から受けた“生物感”の印象にあります。
プロジェクト初期に森さんから、参考として『アントニ・ガウディ』の建築を見ることを勧めていただきました。 『アントニ・ガウディ』は植物や動物、波や炎といった自然物の成長過程から生まれる有機的な曲線を建築に取り入れており、その造形はどこか生命感を帯びています。 この“有機的な曲線”という要素は、本作の世界観とも通じる部分があるのではないかと感じました。
そこで本案では、 「立ち操作コンソール」+「生物感」+「曲線的フォルム」 という3点を軸に構想を進めています。
制作過程において特に難しかったのは、現代的な装置としての機能性を保ちながら、本作全体のビジュアルトーンへ自然に落とし込む点でした。 加えて、プレイヤーが一目見た際に「これは操作台かもしれない」と直感的に認識できる必要もあります。
そのため、自分の中で操作台を特徴づける要素として、 「ディスプレイ」「タッチパネル」「立ち操作のシルエット」 の3点を基準として設定し、それらの大枠を崩さないようにしながらデザインを行いました。 その上で、「生物感」と「曲線的フォルム」という要素を段階的に加えていくことで、世界観との接続を図っています。
様々な要素を意識しながら描いていくうちに、気づけばこの“謎のフォルム”に(笑)。 自分でも一番気に入った案なので、採用されたときは本当に嬉しかったです!
この経験で掴めたこと
この2つの作業を通して、少しずつ見えてきたキーワードが以下になります:
「廃棄物の自然な組み合わせ」 「曲線的フォルム」 「生物感」
これらが、『リトル・リコレクター』の美術世界観を理解する大きなヒントになり、 その後のデザインにも活きています。
あっ、ちょっと文章が長すぎるかもしれませんね……!
キーボードを打つ手も疲れてきたので、今回はこのあたりで。
やっぱり1年分の話は、一括ではとても払いきれないので、分割払いスタイルでいこうと思います。
また機会があれば、続きをゆるっと書かせていただければと思います~!