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開発日誌

―リトル・リコレクターのメンバーが、それぞれの目線で開発の様子をお届けします―

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#46 「SE作成に使っているツールの話」

こんにちは。デザイナーの清水です。

前回の記事でツールの話をしたら色々と語りたくなってしまったので、今回語ろうと思います。

主に使用しているのは『Renoise』です。
寺沼くんと協力して作業するときに環境を合わせるため、『Studio One』も所持しています。

Renoiseとは

TrackerベースのDAW (Digital Audio Workstation)です。
通常のDAWはピアノロールで楽譜を作りますが、Trackerという形式で作っていきます。

こちらが実際の画面です。

Renoise Pattern Editor

マトリックス状に音が並んでいます

うわっと思ったでしょうか。
そう、うわっていう感じなのです。

何に使ってたの?

本来音楽を作るためのソフトですが、主にSEの作成をするときに使用しています。

元の素材は『GameSynth Tool』やFX系のサンプル音源で用意し、それを鳴らすタイミングや加工、鳴らし方の制御などに使用しています。
かなり細かくタイミングの調整ができるので重宝しています。
GameSynth Toolだけで完結させることもできるのですが(サンプルも読み込ませられるし)、これは慣れの部分が大きいです。

Tracker

Tracker形式はピアノロールとは違い、音の名前と音量やPan、エフェクトコマンドなどを表に入力していくことで制御します。
エフェクトコマンドというのは音に対して色々な効果を加えるもので、発声タイミングをずらしたり、ピッチを上げ下げしたり、高速で連打させたりといった命令をすることができます。
ちなみに、数値は16進数です。

ピアノロールと比べて全く直感的ではないですが、細かい調整は非常にやりやすく、複雑なリズムを作ることも容易なので、ドラムンベースなどの複雑で高速なジャンルで用いられることが多いです。

ショートカットキーがものすごく豊富なので、キーボードだけで作業を完結できます。音の長さや高さをマウスでいじるのは意外に面倒です。
また、音の入力もキーボードでできます。キーボードの配列がそのまま鍵盤のように使えるので、midiキーボードがなくても素早く音を確認しながら打ち込んでいくことができます。

Sample Editor

Renoiseにはサンプルエディタが内蔵されており、サンプリング音源を自由に加工できます。

Sample Editor

ここで音を切り刻んだり、前述のエフェクトコマンドでこの音源の再生位置を指定したり、逆再生したり、色々できます。

Modulation

さらにボリュームのエンベロープを弄ったり、フィルターのカットオフなんかも弄れます。サンプルエディタ内でかなりの音作りができるということですね。
画像ではボリュームエンベロープを使ってセルフエコーしている様子です。
当然Delayなどのエフェクトをかけてエコーさせることもできますが、タイミングを好きなように設定したいなどの細かいことができます。
こういうテクニックは昔のTracker系ツールのファイルを確認するとちらほら使われています。

ここではEnvelopeモジュレーターを使って手書きしていますが、ADSRとLFOを組み合せて実現することもできます。

エフェクト

Effects

画面下側のペインでエフェクトを追加できます。
Renoiseは内蔵エフェクトが豊富で、サードパーティ製のプラグインがなくてもだいたいのことはできてしまいます。
面白いのはSignal Followerというエフェクトです。これはトラックの音量をシグナルとして好きなトラックの好きなパラメータを弄れるというものです。
Volumeに繋げばダッキングのようなことができますし、フィルターのレゾナンスを制御するとか、リバーブのかかり具合を制御するとか、自由自在です。他のDAWではあまりこういうことは簡単にはできないのではないかと思います。

ファイル形式

Renoiseは.xrnsという形式でプロジェクトファイルを保存します。これは単体で機能するもので、サンプル音源だけを使用しているのであればどの環境に持っていっても同じものが再現されます。そのコンパクトさから、メガデモなどのシーンで使用されていたりもするようです。

また、ファイルサイズも非常に軽量です。大抵の場合、同じ曲のwavファイルよりもかなり小さくなります。


音源

とりたんの体験版で鳴っている音源は主に『Xpand!2』です。
こちらはコスパのよいマルチ音源で、かなり大量の楽器が揃っているので一つ持っておくと便利です。
質を突き詰めるなら個別のリッチな音源を購入するのがいいと思いますが、とにかくものを揃えて一気にラフスケッチしたいというときにはかなりいい選択肢だと思います。
軽量なのもいいところで、一瞬で立ち上がります。

その他のお気に入りは、『Vital』、『Noir』、『Pivot』、『Symphony Series』、などです。

『Vital』はフリーのウェーブテーブルシンセです。
これ一つでだいたいのことができます。ただ、私はあまりウェーブテーブルの特徴を活かしておらず、使いやすいアナログシンセとして使用しています。
用途としては主にPadとかシンセリードとかを作るのに使っています。Supar Sawが一瞬で作れるのもいいところ。ベースにはあまり使いません。

『Noir』はピアノ音源です。
暗い音のFeltと明るい音のPureがあり、Feltはなかなか他のピアノ音源にはない暗い音なので好きです。
ただ、高音域が少ないということなので他楽器に埋もれやすいです。ソロ向きかもしれません。Pureは普通にどこでも使える音をしています。
面白い機能としてParticle Engineというものがあり、全然ピアノではない粒子的な音を鳴らすことができます。

『Pivot』はFMシンセです。
FMシンセは複雑なものが多く、結構面喰らうのですが、これはモジュレーターが2つしかないのでやれることが限られています。それが逆にシンプルで、普通にやりたいことが普通にやれる嬉しさがあります。また、とても軽量です。
同社から出ている『Sala』というリバーブもかなり綺麗なリバーブで、キャラクター性が強いのでいい感じです。『Raum』のような良さがありながら、シンプルで軽量です。

『Symphony Series』はオーケストラ音源です。
オーケストラの一通りの楽器は網羅されており、音質もかなりいいです。ただし値段はそれなりにします。
体験版で使用している音源は寺沼くんの所持音源に限定されているので、そこではこれは使われていません。
だいぶリアル系なのもあってオーケストラで完結させるくらいの曲でないと他を食って浮いてしまうんですよね。


以上、作曲ツールの紹介でした。
それではまたお会いしましょう。

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