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開発日誌

―リトル・リコレクターのメンバーが、それぞれの目線で開発の様子をお届けします―

ストライプ
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#34 「絵を描くときに考えていること 後編」

こんにちは。デザイナーの清水です。

今回は「絵を描くときに考えていること 後編」をお送りします。
前回では線画までの工程でしたね。ここからは着彩に入っていきます。

ベースカラーを乗せる

ベースカラー

まずはベースカラーを塗っていきます。


全体のトーンを合わせつつベタ塗りしていきます。
私の場合はバケツ塗りをしようとするとハッチングが邪魔になるので、気を利かせて別レイヤーに分けています。

どんなトーンの色にするかはものによってまちまちだと思いますが、リトル・リコレクターにおいては普段の画風のままで描いているので、やや暗めの濃いめです。麺の硬さみたいですね。

場所によって彩度が高かったり低かったりすると統一感がなくなるので、私はだいたい70%くらいの彩度をベースカラーに使用しています。
もちろん現実には彩度の高いものも低いものもありますから、イラスト的ではなくもっと写実的に描く場合は話が変わってきます。そういうときは、一度に色を決めずに、重ねながら探っていくといい感じに馴染むような気がしています。

雰囲気があっているかどうか確認してもらいながら進める場合は線画の清書をする前に色ラフを作ってしまいます。そのとき、ここで塗っているような色をラフに着彩します。
色を塗ってみないとどういう印象になるかイメージしづらいので、大抵はそうします。今回は特段何に使うというものでもなかったので一気に線画まで行ってしまいましたが、仕事でやるなら色ラフがあったほうがいいですね。

1影

まず、全体の大まかな陰影を表現するために、全体にグラデーションをかけます。
細かい陰影は線画の時点で描かれているため、塗りではざっくりつけるだけで問題ありません。むしろ、しっかり付けすぎると非常にうるさい感じになってしまいます。

1影

見づらいですが、グラデーションがついてます。このあと髪を塗るので、そのタイミングだとわかりやすいかも。


これを塗るときはクリッピングマスクを利用すると便利です。以降の工程もすべてクリッピングマスクをかけています。
ブレンドの仕方はいつも通常レイヤーで行っています。乗算やオーバーレイなどはほとんど使いません。

2影

次に2影を入れます。これはより濃い影です。
基本的には青系の色を強めにぶつけます。自然光の場合、光は黄色寄り、影は青寄りになりやすいです。室内だとまた事情が違うものの、一旦それを守っておくと概ね自然な陰影になります。

明度はあえてそこまで下げません。

2影

ガッツリ強めの色をぶつけます。


この状態でも割と成立していますが、ナチュラルな影にするつもりなので、ここからレイヤーの不透明度を下げていきます。
今回は40%程度にしました。

2影 不透明度下げ

不透明度を下げて色を落ち着かせます。


するとだいぶちょうどいい感じになりましたね。
一発で狙った色を当てにいくのは難しいです。アナログの場合、絵の具に少し透明感があったり、乾燥する前に塗ることで自然な混色が起こり、自然と下地の色に馴染みますが、デジタルの場合はそうもいきません。

そこで、強めの色を塗ってしまってから不透明度を下げることで、スライダーを動かすだけで狙った色味に到達することができます。
ただ、この色と下地の色の中間のどこかに狙った色がある、ということを予想して塗ることになるので、慣れるまではかえって難しいでしょう。

おすすめは今回のような強めの青です。

ハイライト

次にハイライトです。
なくても成立しますが、一応。

ハイライト

光が特に当たる場所に軽くライトを当てます。


こちらも同様に、強めの色を乗せた後薄めています。

反射光

最後に反射光です。
描かないことも多いんですが、今回は入れてみました。

反射光

影の外側にうっすら入れます。


こちらは水色を塗ってから薄めることが多いです。
物体の回り込みを表現するのにちょうどいいです。

まとめ

あとはこの工程を繰り返し……出来たのがこちら。

完成

完成!


こういった流れで、リトル・リコレクターのイラストは描かれています。

塗りに関しては、いくつものグラデーションを上から何層も重ねるような感じで描いていきました。多色摺り木版のような感じです。
このようにしておくと後から色の調整がしやすいので多用しています。1つのレイヤーで複数の色を塗り塗りすると、後から少しだけ色味を変えたいと思ったときに大変です。
線画の時点でほとんどの陰影は描かれているので、塗りはほとんど時間がかかりません。が、トータルでは時間のかかる画風と言っていいと思います。ゲームでこれをやるのは結構大変ですね……

この後、線の印象が強くなりすぎないようにするために色トレスを行うこともあります。今作ではむしろこの特徴を強調していくために、そのままの線で出しています。

今回は「絵を描くときに考えていること 後編」でした。
これを読めば誰でもリトル・リコレクターっぽい絵が描ける! ……かは分からないですが、結構ちゃんとルールがあるというのは伝わったのではないでしょうか。

それではまたお会いしましょう。

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