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開発日誌

―リトル・リコレクターのメンバーが、それぞれの目線で開発の様子をお届けします―

ストライプ

本企画がどのようにスタートしたのか、企画目線でお話しします!


こんにちは、企画の笹口です。
少し寒い日が続くなぁ、と思っているうちに若干汗ばむような気候になってきて、衣替えも追いつかない今日この頃です。
4月入社の新人さんたちを迎え、1年早かったなぁと。毎年思っている気もしますが。

さて、『ProjectCode:ToReturn』ですが、各メンバーの尽力のおかげで徐々に形ができてきたかなという印象です。
まだまだ手触りや細かい数値周りなどの調整が必要ですが、大枠でのゲームの流れについては固まってきたかなと思います。
実際のゲーム画面などをお見せするのはもう少し後になりそうですが、多くの皆さんに楽しんでもらえるように鋭意開発進行中です!

ゲームの中身だけでなく、webページの見た目やコンテンツなども拡充予定です。 いつまでもProjectCode:ToReturnと呼称するのも長いので、タイトルもみんなで案だし中です。
(タイトルっていわば、ゲームの一番の肝だったりしますからね...ここは結構慎重です)

確定したときには、「タイトルに込めた思い」 みたいなものをお話できるといいなと思っています。


さて、今回は 「企画はどうスタートしたか」 というテーマで、本プロジェクトが始動した経緯を少しお話しようかなと思います。
#2でアートディレクターの清水くんが既にお話ししているため、一部重複する箇所がありますが、今回は企画の笹口からみた目線での最初期の様子を振り返ってみます!

本プロジェクトの始動前、代表からは社内開発を進めたい、というお話が自分のもとにありました。 どういう進め方でも構わないというお話の中で、「アートで引っ張っていくようなタイトル」も一つの作り方だよね、となり「イラストやコンセプトアートから企画を作ってみる」という方針で進むことに。
清水くんをデザイナーにアサインすることは決まっていたため、まずはブレスト等をして清水くんがどんなイラストを描くかの方向性や、ざっくりとやりたい企画の方向性の模索し、絵を描いてもらうことから始める進行を想定していました。

ただ初回のうちに、すでに清水くんがこういった企画はどうか、と数点のイラストと、自身の絵とマッチする世界観想定、ゲームイメージの載った企画書を持ってきてくれました。 特に、探検家風の少女と相棒の鳥の絵に惚れ込んだ、というのもあり、 ここから「この企画案を膨らませつつ整理して進めていこう」という判断に至るのに時間はかかりませんでした。

その後、清水くんの企画原案を一つの案としてまとめました。
それがこの時の企画概要書です。

ToReturn初期企画概要書 システム面やゲームフロー部分の記載はそこまで詳細にはせず、世界観は後で詰めるとして、 まずは、「何をする」ゲームなのかと、それによって「何を体験させたいか」をまとめています。 

ゲームの企画は 「誰に」 「何をさせて」 「どういう体験を届ける」という3つの要素を肝に、どの要素を主軸にアプローチするかが大切だと自分は考えています。
本プロジェクトでは、主軸を 「どういう体験」 に置いて、それをベースに「誰に」 「何をさせる」というのを設定していきました。 そのため、今時点で本プロジェクトの「どういう体験」をさせたい、というものは変わっていませんが、 「何をさせる」というゲームシステムや要素などは調整を繰り返して変わってきています。 「誰に」というターゲットもそこまで明確なペルソナを固定するのではなく、刺さるであろう人のイメージをチーム内で共有するに留めています。

どういう体験というものをどう決めたかといいますと、 キービジュアルの絵を見て、ディレクター3人が感じた「持って帰る」 というキーワードを 少女と鳥が崩れていく塔からお宝を持って帰る、緊迫感ある冒険を描こう、という感じで決まっています。

今回のプロジェクトでは、ターゲットを絞り込んだりコンセプトの選定から企画立案ではなく、企画の素案がすでにある状態でした。一人で0から考えてまとめていく企画立案とは異なり、原案の清水くんの意図をヒアリングして整理したり、もう一人のディレクターの寺沼くんも交えて、3人のディレクター間での本プロジェクトで大事にしたいコンセプト部分をすり合わせが結構大変だったと感じています。
ここは妥協せず何度も話し合いを重ねましたのが良かったと思っていますし、今でも意見の衝突や食い違いが少なからずあります。そういった意見が飛び交う土台を醸成できたことも良かったなと感じています。
少人数の制作だからこその手探り感やメンバーみんなが良いと思うものをぶつけ合いながら作っていく、この開発が僕自身とても楽しい開発だなと実感中です。


とまあ、企画目線での本プロジェクトの始動の様子と、企画を作る際の大事にしていることを少しお話いたしました。
今回掲載した初期の企画概要書から、実際にどのような遊びが実装されたかはぜひリリース後にご確認いただければと思います。ぜひ、お楽しみに!

それでは今回はこの辺りで。また次回。(。・ω・)ノシ

みなさんこんにちは!いよいよ春を感じる良い季節になりましたね。
今回日誌を担当するのは、ToReturnにてコンセプトアートや背景を担当しているデザイナーの森と申します。以後お見知りおきを!
私の記事では、デザインしたものの紹介と過程ついてお話したいと思います。


ではさっそくですが、自己紹介と制作したものについて軽くご紹介します!
私の職種としては、2Dデザイナーというくくりになります。ToReturn内で行っている作業は、コンセプトアートでゲームに登場するステージのイメージを明確にしたり、ゲーム内の背景を作成したりといったことです。
以下がToReturnにて制作したコンセプトアート兼キービジュアルです。

keyvisual

清水さんが描いたアニーとトリスタンが飛ぶ、空の情景崩れる塔などを描きました。
このお話をいただいたのは2024年の12月頃で、「ゲームのイメージを集約させたものがあると目指すものが明確になるため、そんなイラストがほしい」ということからプロジェクトに参加しました。

ストーリーと世界観はほとんど出来上がっていたので、矛盾を避けながら「崩れゆく遺跡から脱出する主人公たち」というシーンを、差別化したラフを3種類作成し提案しました。
そして、トリスタンが頑張る様子を映えさせるために清水さんと相談しながら、キャラビジュアルも風景に合わせて調整いただきながら仕上げました。
次にイラストのこだわりポイントですが、トリスタンは重いものを運んでいるので「ヨロヨロ」と飛んで遺跡から脱出し、遺跡は「ズゴゴゴ」と音を立てながらゆっくり崩れて落ちていきます。こういった細かなニュアンスを絵として反映させることにこだわりました。試行を重ねた箇所になるので気に入っています。

学生の時はファンタジーな世界観の背景を描くのが好きでしたが、仕事として携わるのは初めてでした。そのため、クオリティとしてはまだまだ未熟であると感じており、求められているものが作れるのかという不安と常に葛藤していました。ですが、完成後にはそれを軸にして進めようと言っていただき、ひそかにうれしさを嚙み締めていたのを覚えています。

この制作過程で、良いものを作る努力をしたうえでできたものに不安を感じていても「どうだ!」くらいのメンタリティで提出することは大切だと感じました。提案する側が自信なさげだと決める側も困惑してしまいますから。出すことは変わらないので、それであれば自信をもって出した方がいいよね!というお話でした。

長くなりましたが、ここまでご覧いただきありがとうございます。
次回はどんなお話になるのでしょうか?お楽しみに!

あたたかくなり桜の蕾も膨らんできた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか...?🌸
今回はウニコの神田が更新します。

この開発日誌に登場するのは初めてなので今回は私がこのプロジェクトで何をやっているかをご紹介します。

私は3Dモデル、アニメーション、エフェクト、など3D周りを広くやってる「ザ・3Dの人間」で、
このプロジェクトではテクニカル分野のサポート係として、シェーダーやポストプロセス、
その他Unityのレンダリング周りのあれこれなどで開発をお手伝いしています。

ToReturnは絵が一番の売りの2Dのプロジェクトで、元々は自分がやれそうなこともあまりなかったので、
「社内の仲のいい人がやってるプロジェクト」として見守っていたんですが、
ゲームの見た目を良くしたいの雑談に始まり、「ここにこんな描画処理入れたらいい感じになりそうだな~」と
プロジェクト取得して弄ってたら楽しくなっちゃっていつの間にか参加してました。

今後もこのブログにたまに神田が登場するかと思いますが、今予定している所では
ToReturnで使用しているシェーダーについてご紹介させていただこうと考えています。

↓こういうの

node editor

専門的な知識がなくても理解しやすいように、処理を組むにあたっての考え方や処理の概要を紹介していく予定です。
普段は見られないグラフィックの内部構造に興味を持ってもらうきっかけや、
ゲーム制作を学ぶ学生さんのヒントにもなるような内容を目指しているので、
気軽に読んでもらえると嬉しいです。🔧

ということで、今回は自己紹介程度になってしまいましたが次回からは開発中の画面のスクリーンショットも交えて
テクニカルなお話をしていければと思いますのでお楽しみに!

こんにちは。プログラマーの寺沼です。

これまで日誌を書いてくれた企画担当の笹口さん、デザイナーの清水くん、そして私、プログラマーの寺沼。この3人が「ToReturn」の初期メンバーです。
現在では、社内で手伝ってくれる人も増えてきており、私たち初期メンバーはそれぞれのセクションのディレクターとして活動しています。


さて、私の役割についてお話しします。
開発初期には、初期メンバー全員で企画内容を相談しながら、主に私がゲームの実装を進めていました。
ただ、手伝ってくれる人が増えてからは、他のプロジェクトも抱えるようになり、実際の作業は他のプログラマーに任せ、私は監修をメインとする役割へと移行しつつあります。

なお、プログラマーだからといって企画に参加できないというわけではありません。
「ToReturn」においては、ディレクター3人の合意によって企画内容を決める方式を採用しています。
ちなみに、鳥の名前「トリスタン」は、私が最初に提案した名前だったりします。
プロジェクト名「ToReturn」もたしか私が言い出したはず…

もちろん、プログラマーは他のセクションよりもプログラムに詳しいので、プログラマー独自の目線から企画に参加できるのはメリットですね。
実際にプログラムを書いて動かしてみた内容を他のメンバーに見せたことで採用された機能もありました。
それについては、また別の機会にお話ししたいと思います。

というわけで、これからも「ToReturn」をより面白いゲームにしていけるよう頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします。
それでは。

こんにちは。デザイナーの清水です。

私はToReturn内ではアートディレクターと呼ばれる立ち位置にいます。 初回記事でディレクター3人衆と呼ばれていた中の一人です。

私は主にゲームのアート部分の方向性の決定や、各作業者のデザイン作業の監修をしています。 が、ToReturnは小規模なプロジェクトなので、8割くらいの時間は管理業務ではなく作業に充てています。

今後の私の記事では、ToReturnのアートについて、監修目線でお伝えできればと思っています。

今回は、ToReturn開始の経緯と、最初の絵についてお話します。

ToReturn開始

2024年6月頃、アートで引っ張っていくような自社開発タイトルを、というお話をいただいていました。
当時私は少し調子を崩していたので、その準備期間で心身を休めてね、という計らいでもあったのかなと思っています。
引っ張っていけるほど魅力的なアートを打ち出せるかは不安がありましたが、ありがたいお話だなと思ったのを覚えています。
(余談ですが、ウニコ20期目の節目にあたるタイトルというのは、このときにおそらく聞いていたんですがぼんやりして聞き流しており、今になって震えています)

まずは落書きしながらイメージを固めようと思って落書きしつつ、思ったよりも時間があったのでついでに企画書まで作っちゃおう、ということで企画書を作成することにしました。

最初の絵

その時に描いた落書きが以下の絵です。

探検家と鳥

まず探検家の女の子を描きました。 でかい荷物と小さい子という組み合わせが結構好きで(でかい武器と女の子という組み合わせもよくありますよね)、そこから始めてみようと思いました。

ザ・探検家、という服装だと面白くないと思い(記憶に残らないですし)、ヘルメットではなく帽子、現代っぽいアウターを着せました。 この時点で、過去の文明を利用するために収集している探検家みたいなイメージが出来上がっていました。

そのあと、頭の上がどうにもさみしい感じがしたので、相棒がいてもよいだろうと思い、鳥を描きました。

飛んでいる様子

せっかく鳥が相棒にいるんですから、飛んだほうが楽しいはずです。
自分と荷物を鳥に運んでもらうことにしました。

小さな体で頑張って飛んでいる健気な感じが気に入っていました。
『千と千尋の神隠し』でちっこいカラスが太ったネズミを頑張って運ぶ様子が個人的にお気に入りで、その感じが出したいなと思っていました。

そこで、こういう絵が出てくるようなゲームがいいな~と思い、探検して遺跡を集め、重くなった荷物を鳥が頑張って運ぶようなゲームの企画案を作成しました。

企画会議

企画書を作ったとはいえ私はデザイナーですので、どうなるか不安だったのですが、会議の結果、その企画書をベースに話が進んでいくことになりました。 コアになる要素を話し合い、ゲーム性については、「拾って登るか、帰るか」のせめぎ合い、帰ることを念頭に置いた探検のリアルなハラハラ感、アート面についてはキャラクターの可愛さとこの必死な感じを押し出す方針になりました。 書くと簡単ですが、簡単に方針が決まったわけではありません。何度も認識のすり合わせや意見の出し合いをし、要素をたくさん出したり余計な要素を削ったりして残ったのがこの部分でした。

没になる可能性もあると思っていたので、アイデアを採用してもらえたのは嬉しかったですね。

紆余曲折ありつつも、軸になるアートがあったこと、軸になるキーワードを会議の初めに設定したこと(笹口さん曰く、キーワードは重要!とのことでした)、初期の段階で入念にすり合わせを行ったことによって、細かい変化はありつつも概ね迷わず制作が進められています。 また、初期の段階で荒削りなプロトタイプをとりあえず作ることにしたのもよかったですね。机上だけで考えるのは限界がありますから。

この段階で面白くなると確信できるかどうかは難しいところですが、いけそう感みたいなものを全員が掴むまで妥協せず話し合えたのは良かったと思います。

今回はToReturnの生まれた経緯と最初の絵、それから初期段階に気合を入れるのは大事、という話でした。 また次回お会いしましょう。

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